FATX Core(ファットコア)仕入れ完全ガイド|脂肪溶解注射の正規調達・薬監証明・カベリンとの使い分けを医師が解説

こんな方に読んでほしい

・脂肪溶解注射の新規導入を検討している医師・クリニック

・FATX Core(ファットコア)の特性や仕入れ方法を知りたい

・カベリン・シンセラーとの使い分けに迷っている

・薬監証明の取得手順を確認したい

この記事でわかること

・FATX Core(fatXcore)の成分・作用機序

・カベリン・シンセラーとの具体的な使い分け基準

・個人輸入・薬監証明の実務フロー

・導入時の薬機法上の留意点

「FATX Core(ファットコア / fatXcore / fat core x)を導入したいが、どこから仕入れればいいのかわからない」「カベリンとどう使い分ければよいか判断基準を持ちたい」――脂肪溶解注射に新規参入しようとするクリニックから、こうした相談が増えています。

脂肪溶解注射は、現時点で国内に薬事承認を受けた製剤が存在しない領域です。そのため、使用する製剤はすべて医師が自らの判断と責任のもとで個人輸入する形態となります。仕入れ先の選定から薬監証明の取得、患者への説明まで、手続きのステップが複数あり「どこから着手すればよいか」と戸惑う方も少なくありません。

本記事では、FATX Core を中心に、主要な脂肪溶解製剤の特性比較・仕入れの実務フロー・薬機法上の留意点を体系的に整理します。

1. FATX Core(ファットコア)とはどんな製剤か

1-1. 製品の概要と主成分

FATX Core(表記ゆれ:fatXcore / fat core x / ファットコア)は、韓国で製造・販売されているリン脂質系の脂肪溶解製剤です。主成分はホスファチジルコリン(PPC)とデオキシコール酸(DC)の配合製剤であり、高濃度処方により強力な脂肪細胞膜の破壊作用が期待される製剤として、国際的な美容医療市場で広く流通しています。

日本国内では薬事承認を受けていない医薬品(国内未承認薬)に該当します。使用にあたっては必ず医師の診断と処方のもとで行う必要があります。

1-2. 作用機序

ホスファチジルコリンは細胞膜を構成するリン脂質の一種で、脂肪細胞の膜に作用して細胞の崩壊を促すとされています。配合されるデオキシコール酸は胆汁酸の一成分であり、脂質の乳化・溶解作用があることから、両者の相乗作用によって皮下脂肪の体積縮小につながると報告されています。

なお、効果の程度には個人差があり、また症例によって反応が異なります。医師の診断のもと適切な症例を選択することが重要です。

2. FATX Core・カベリン・シンセラープラスの使い分け基準

脂肪溶解注射を本格導入する際、多くのクリニックが「どの製剤を採用するか」から始まります。主要3製剤の特性を比較した上で、症例別の使い分け基準を整理しました。

比較項目 FATX Core
(ファットコア)
カベリン
(Kabelline)
シンセラープラス
(Cincelar+)
主成分 PPC高濃度
+ DC配合
PPC + DC
低刺激処方
PPC + DC
+ ハーブ系成分
期待される
脂肪溶解効果
強め 中程度 中〜やや強
腫れ・炎症反応 出やすい傾向 少ない傾向 中程度
ダウンタイム 数日〜1週間程度 比較的短い 2〜5日程度
適した部位 腹部・背部など
脂肪厚い部位
顔・二重あごなど
繊細な部位
顔〜ボディ
幅広く対応
向いている患者像 ダウンタイムを
許容できる方
ダウンタイム
ゼロを希望する方
初回導入や
幅広い症例

実務上の選択ポイント

脂肪厚が十分あり、ダウンタイムを許容できる患者にはFATX Coreが検討対象となりやすい傾向があります。一方で、顔・二重あごなど繊細なエリアや「次の日から仕事がある」という患者にはカベリンが候補に挙がります。3製剤を揃えることで症例に応じた柔軟な対応が可能になるとする医師も多い状況です。

※上記の特性はメーカー情報および国内外の医師からの報告をもとに整理したものです。効果・反応には個人差があります。

3. FATX Core(ファットコア)の仕入れフロー|薬監証明から受領まで

3-1. 個人輸入とは何か(法的根拠)

FATX Core をはじめ、国内未承認の脂肪溶解製剤は薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)のもとで国内流通ができません。しかし、医師が自己の診療に用いる目的に限り、「自己使用のための個人輸入」として一定の条件下で輸入が認められています。

重要なのは「医師が自ら責任を持って患者の治療に使用する」という前提であり、転売・譲渡は認められません。この点を院内でも明確に共有しておく必要があります。

3-2. 薬監証明の取得手順

未承認薬を個人輸入する際、税関における通関手続きで「薬監証明」(輸入者の確認証明)の提示が求められる場合があります。以下が基本的な取得フローです。

1

必要書類の準備

医師免許証の写し、輸入報告書(品名・数量・使用目的を明記)、発注先の発行するインボイス(Invoice)、患者への使用目的を示す理由書

2

地方厚生局または税関への申請

輸入量が少量(自己使用の範囲内)であれば税関での確認のみで対応できるケースが多いですが、製剤の種類・数量によっては事前に確認が推奨されます。

3

発注・決済

信頼できる医療機関向けの取扱い事業者に発注します。日本語でのサポート体制や継続的な在庫確保が可能かどうかを事前に確認することを推奨します。

4

通関・受領・保管

到着後は指定の保管条件(冷蔵等)に従い、使用期限・ロット番号を院内台帳に記録します。

3-3. 仕入れ先選定で確認すべき5つのポイント

No. 確認項目 確認内容
1 医療機関専用ルートであるか 一般消費者向けではなく、医療機関のみを対象とした仕入れルートかどうかを確認する
2 コールドチェーン管理 輸送中の温度管理が適切に行われているか確認する
3 日本語での問い合わせ対応 書類対応・使用方法の質問など、日本語でサポートを受けられる体制があるか確認する
4 継続的な在庫安定性 単発ではなく継続して安定調達できるか。欠品が続くと施術計画に支障をきたす
5 薬機法・輸入実務の情報提供 薬監証明の手続きや薬機法対応について、情報提供・相談に応じてもらえる仕入れ先かどうか確認する

4. 脂肪溶解注射導入時の薬機法上の留意点

4-1. 広告・SNS発信でやってはいけないこと

薬機法第68条では、承認を受けていない医薬品の効能・効果に関する広告を禁止しています。クリニックのウェブサイトやSNSで脂肪溶解注射を訴求する際は、以下の点に注意が必要です。

NG例(違反リスクあり) 適切な言い換え例
「脂肪が溶ける」 「脂肪細胞に作用するとされる製剤です」
「二重あごが消える」 「二重あごへのアプローチとして用いられる場合があります」
「痩せる注射」 「局所的な脂肪ボリューム調整を目的とした施術の一つです」
「1回で確実に効果が出る」 「効果には個人差があります。複数回の施術が推奨される場合があります」

4-2. 患者へのインフォームドコンセントで必ず伝えること

未承認薬を使用する際は、施術前に患者へ以下の内容を書面で説明し、同意を得ることが法的・倫理的に求められます。

IC(インフォームドコンセント)必須記載事項

1. 使用する薬剤は日本国内で薬事承認を受けていない製剤(国内未承認薬)であること

2. 医師が自己の診療責任のもとで輸入・使用していること

3. 期待される効果および起こりうる副作用・リスクの説明

4. 効果には個人差があり、必ずしも期待した結果が得られるとは限らないこと

5. 有害事象が生じた場合の対応方針

5. FATX Coreの施術プロトコル概要と副作用マネジメント

5-1. 一般的な施術プロトコル(参考)

以下は国内外の臨床報告をもとにした参考情報です。実際のプロトコルは医師の判断のもと設定してください。

項目 参考値・注意事項
注入量(1部位あたり) 腹部:1セッションあたり5〜10mL程度が参考例として挙げられることが多い
注入深度 皮下脂肪層(真皮下〜皮下脂肪層を対象とする)
施術間隔 3〜4週間おきが一般的な参考例として挙げられる
施術回数 3〜5回のコース設定とするケースが多い。症例によって異なる
前後の処置 施術後は圧迫・冷却が腫れ軽減に寄与するとされる

5-2. 主な副作用と対応

PPC/DC配合製剤の使用において報告されている主な副作用は以下の通りです。施術前に患者への説明を徹底することが求められます。

副作用 特徴 対応の参考
腫れ・むくみ 注入後数日間持続することが多い。FATX Coreでは特に出やすい傾向 冷却・圧迫。患者へ事前に説明しておく
硬結(しこり) 注入部位に一過性の硬結が生じることがある 多くの場合数週間で自然軽快。継続観察
内出血 穿刺部位に内出血が生じる可能性がある 適切な穿刺技術と細針の使用で軽減を図る
疼痛・熱感 注入時〜施術後数日間、熱感や疼痛がみられる場合がある 必要に応じて鎮痛薬の処方を検討
アレルギー反応 まれに過敏反応が生じる可能性がある 事前問診で既往歴を確認。緊急対応の準備

6. よくある疑問|クリニック導入前のQ&A

Q. FATX Core はどこで購入できますか?
A. 国内には正規の国内代理店は現時点では確認されていません。医療機関向けの海外仕入れルートを通じての調達が一般的です。MedixorではFATX Coreを含む脂肪溶解製剤の取り扱いがあり、医療機関向けに会員制でご案内しています。
Q. 脂肪溶解注射は看護師が施術できますか?
A. 注射行為は医師法上「医行為」に該当します。医師が直接施術するか、医師の指示のもとで看護師が施術するかを院内で明確にする必要があります。なお、最終的な判断と責任は医師が担うことが前提です。
Q. カベリンと同時に在庫を持つべきですか?
A. 症例の幅を広げるという観点からは、ダウンタイムの少ないカベリンとFATX Coreを両方揃えるクリニックが増えています。ただし、在庫管理・使用期限の観点から、初期導入では1製剤から始めて症例を積んでから追加する方針をとるケースも多いです。
Q. 脂肪溶解注射の料金設定の目安はありますか?
A. 全額自由診療での設定が一般的で、部位・製剤・クリニックにより大きく異なります。原価・人件費・ダウンタイム管理コストを踏まえた料金設定が必要です。市場動向については定期的に競合調査を行うことを推奨します。

まとめ:FATX Core 導入の判断基準

この記事のポイントまとめ

1. FATX Core(fatXcore / fat core x / ファットコア)はPPC高濃度配合の脂肪溶解製剤で、強い効果が期待されるとされる一方でダウンタイムが出やすい傾向がある。

2. カベリンはダウンタイムが少なく顔・二重あごなど繊細な部位に向き、FATX Coreは腹部・背部などの脂肪量が多い部位での使用例が多い。症例に応じた使い分けが有効。

3. いずれも国内未承認薬のため、医師が責任を持って個人輸入し、薬監証明・IC取得・院内台帳管理を徹底することが必須。

4. 仕入れ先選定では医療機関専用ルートであること・コールドチェーン管理・日本語サポート体制・在庫安定性・薬機法情報の提供有無を確認することが重要。

5. 広告・SNS発信では薬機法に基づく表現規制を厳守し、「効く」「溶ける」などの断定的表現を使用しない。

注意事項・免責事項

本記事は医療従事者向けの情報提供を目的としており、一般の方への治療推奨ではありません。記載の薬剤には国内未承認のものが含まれます。薬剤の使用は必ず医師の診断と処方のもとで行ってください。

本記事に掲載した製剤の特性・副作用・プロトコルは、国内外の報告事例をもとに参考情報として整理したものであり、効果・安全性を保証するものではありません。最終的な判断は担当医師が行ってください。

薬機法の解釈・運用については最新の法令・通知を確認するとともに、必要に応じて専門家にご相談ください。

監修

Medixor編集部

美容医療クリニック向け会員制プラットフォーム。国内外の美容薬剤情報・仕入れ実務・薬機法対応コンテンツを発信。

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