韓国製ボツリヌストキシン5製剤の違い|ボツラックス・コアトックス・ナボタ・リズトックス・イノトックスの特徴と使い分けを医師が解説

2026年9月28日 | 監修:Medixor編集部 | カテゴリ:ボツリヌストキシン

韓国製ボツリヌストキシンを比較したいけれど、ボツラックス、ナボタ、コアトックス……と名前が多くて違いがよくわからない。そんな声をよく聞きます。

こんな方におすすめ
・ボツリヌストキシンを導入済み、または製剤の切り替えを検討している医師・看護師
・韓国製製剤の仕入れを検討しているクリニック経営者

この記事で解決できる悩み
・韓国製5製剤のメーカー・剤形・規格の違いが一覧でわかる
・自院の施術内容に合わせた製剤選びの考え方がわかる
・製剤を切り替えるときの注意点と仕入れの流れがわかる

結論から言うと、5製剤に「どれが一番」という答えはありません。違いが出るのは、複合タンパクの有無、剤形、規格の3点です。この3点と自院の施術内容を照らし合わせるのが、製剤選びの近道です。

1. 韓国製ボツリヌストキシンとは|国内で選ばれている背景

1-1. 韓国製製剤が広く流通するようになった経緯

韓国では2000年代以降、複数の製薬会社がA型ボツリヌストキシン製剤を開発し、韓国食品医薬品安全処(MFDS)の承認を受けてきました。美容医療の需要が大きい市場で製剤の選択肢が増え、日本の美容クリニックでも、医師の個人輸入を通じて使われるようになっています。

1-2. 国内承認製剤との位置づけの違い

本記事で扱う5製剤は、いずれも国内未承認薬です。使用する場合は、医師が自らの責任で個人輸入し、患者に未承認薬であることを説明したうえで同意を得る必要があります。

1-3. 比較の前に押さえたい前提

ボツリヌストキシンの「単位」は製剤ごとに測定方法が異なり、製剤間で単純に換算できないとされています。同じ100単位でも作用が同等とは限らないため、製剤を切り替える際は用量設定を見直す必要があります。

2. 韓国製ボツリヌストキシン5製剤の基本情報|メーカー・剤形・規格

まずは5製剤の違いを一覧で確認しましょう。取り扱い単位は、Medixorで現在扱っている規格です。

製剤名 メーカー 剤形 複合タンパク Medixor取り扱い単位
ボツラックス
(Botulax)
Hugel 凍結乾燥 含む(約900kDa) 100/200/300単位
ナボタ
(Nabota)
Daewoong 凍結乾燥 含む(約900kDa) 50/100/200単位
リズトックス
(Liztox)
Huons 凍結乾燥 製剤資料で確認 100/200単位
コアトックス
(Coretox)
Medytox 凍結乾燥 含まない 100単位
イノトックス
(Innotox)
Medytox 液状 含む 50/100単位

2-1. ボツラックス(Botulax)

Hugel社の製剤で、韓国製ボツリヌストキシンの中でも流通量が多い製剤の一つです。100・200・300単位と規格の幅が広く、施術件数に合わせて選びやすい点が特徴です。300単位の詳細はBotulax 300UI 完全ガイドでも解説しています。

2-2. ナボタ(Nabota)

Daewoong社の製剤で、メーカーは独自の精製技術による高純度化をうたっています。海外では別の商品名で承認を受けている地域もあります。50単位から200単位まで規格がそろっています。

2-3. リズトックス(Liztox)

Huons社(ヒューオンス)の製剤で、輸出向けにはHutox(ヒュートックス)の名前でも流通しています。凍結乾燥型で、100・200単位を扱っています。

2-4. コアトックス(Coretox)

Medytox社の製剤で、複合タンパクと動物由来成分を除いた製剤とされています。5製剤の中で、複合タンパクを含まない点がもっとも大きな違いです。

2-5. イノトックス(Innotox)

コアトックスと同じMedytox社の製剤で、あらかじめ溶解された液状製剤です。溶解の手間がなく、希釈による濃度のばらつきを抑えやすいとされています。詳しくはイノトックス個人輸入ガイドをご覧ください。

3. 韓国製ボツリヌストキシンの違いを生む3つのポイント

3-1. 複合タンパクの有無と抗体産生の議論

ボツリヌストキシンの有効成分は約150kDaの神経毒素で、多くの製剤ではこれに複合タンパクが結合した状態で含まれています。複合タンパクが、繰り返し投与による中和抗体の産生に関わる可能性が議論されており、これを除いた製剤も開発されています。ただし、臨床的な差については現在も検討が続いている段階です。

3-2. 剤形の違い:凍結乾燥型と液状型

凍結乾燥型は、使用前に生理食塩水で溶解します。希釈量を施術ごとに調整できる一方、調製の手間がかかります。液状型は溶解が不要で、準備時間の短縮が期待できます。保管条件も製剤ごとに異なるため、添付文書で確認してください。

3-3. 規格(単位数)の違いと施術件数

溶解後の製剤は、使用期限が短く設定されているのが一般的です。1日の施術件数や部位に対して規格が大きすぎると、使い切れずに廃棄が出ることがあります。自院の施術数と照らし合わせて規格を選ぶのが、原価管理の面でも大切です。

4. 施術内容・クリニックの状況別の考え方

ここでは製剤の優劣ではなく、「どの特性が判断のポイントになるか」という視点で整理します。

クリニックの状況 判断のポイントになる特性
表情じわ中心の少量施術が多い 小さい規格の有無。使い切れる単位数を選ぶと廃棄ロスを抑えやすい
エラ・肩など高用量施術が多い 大きい規格の有無。1バイアルで施術が完結すると調製の手間が減る
繰り返し施術する患者が多い 複合タンパクの有無。抗体産生への配慮を重視する場合の検討材料になる
調製の手間やばらつきを減らしたい 剤形。液状型は溶解工程が不要

実際には、複数の製剤を施術内容で使い分けているクリニックも少なくありません。どの製剤を選ぶかは、医師が患者の状態や施術計画をふまえて判断してください。

5. 製剤を切り替えるときの注意点と仕入れ

5-1. 切り替え時の患者説明とカルテ記載

製剤を変えると、効果の出方や持続期間の感じ方が変わる可能性があります。切り替える際は患者に説明し、使用した製剤名・単位数・希釈量をカルテに記録しておくと、次回以降の調整がしやすくなります。

5-2. 保管・温度管理

ボツリヌストキシンは温度管理が必要な製剤です。Medixorでは、国内配送をクール便で行っています。到着後は速やかに添付文書どおりの条件で保管してください。

5-3. 個人輸入と輸入確認(旧薬監証明)の流れ

国内未承認のボツリヌストキシンは、医師が治療目的で個人輸入し、地方厚生局による輸入確認(従来の薬監証明)の手続きを行います。Medixorでは、5製剤を医療機関向けの輸入代行として取り扱っています。規格一覧はボツリヌストキシンの商品一覧からご確認いただけます。

まとめ

1. 韓国製5製剤に「どれが一番」はなく、特性の違いで選ぶ
2. 違いが出るのは、複合タンパクの有無・剤形・規格の3点
3. 単位は製剤間で単純換算できないため、切り替え時は用量を見直す
4. 施術内容と施術件数から、使い切れる規格を選ぶ
5. 切り替え時は患者説明とカルテ記録を徹底する

製剤ごとの特性を知っておくと、患者への説明にも自信が持てます。自院の施術内容と照らし合わせて、合う製剤を検討してみてください。

注意事項・免責事項
本記事は医療従事者向けの情報提供を目的としており、一般の方への治療推奨ではありません。記載の薬剤には国内未承認のものが含まれます。薬剤の使用は必ず医師の診断と処方のもとで行ってください。
本記事の製剤情報は、メーカー公開情報や文献をもとに参考情報として整理したものであり、効果・安全性を保証するものではありません。効果には個人差があります。製剤の仕様は変更される場合があるため、使用前に最新の添付文書をご確認ください。
薬機法の解釈・運用については最新の法令・通知を確認するとともに、必要に応じて専門家にご相談ください。
監修
Medixor編集部
美容医療クリニック向け会員制プラットフォーム。国内外の美容薬剤情報・仕入れ実務・薬機法対応コンテンツを発信。
Instagram:@medixor_gogo55
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