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リドカイン(Lidocaine)はアミド型局所麻酔薬の代表格であり、神経細胞膜のナトリウムチャネルを可逆的に遮断することで痛覚伝達を抑制します。クリーム・軟膏剤として粘膜や皮膚に塗布した場合、表層の神経終末に作用し、注射針の刺入痛や処置時の不快感を軽減します。歯科では注射前の口腔粘膜麻酔薬として古くから使用されており、患者の治療受容性向上に大きく貢献してきた薬剤です。
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リドカインクリームの基本特性
| 主成分 リドカイン塩酸塩(濃度は製品により2%〜10%超まで幅がある) |
| 作用発現 塗布後 2〜5 分(高濃度製品は 1〜2 分) |
| 作用持続 約 15〜30 分 |
| 使用部位 口腔粘膜(歯肉・頬粘膜など)、皮膚(美容施術前処置) |
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リドカインクリームが担うのは「表面麻酔」であり、粘膜・皮膚表層の感覚を一時的に鈍らせるものです。浸潤麻酔(注射による深部麻酔)とは作用深度・持続時間が異なり、単独では深部処置の疼痛抑制には不十分です。両者の役割を正確に理解した上で前処置として適切に組み合わせることが、良質な診療体験の提供につながります。
| 項目 |
表面麻酔(クリーム) |
浸潤麻酔(注射) |
| 作用深度 |
粘膜・皮膚表層のみ |
深部組織・骨膜まで |
| 効果発現 |
塗布後1〜5分 |
注射後2〜5分 |
| 持続時間 |
15〜30分程度 |
1〜3時間程度 |
| 主な用途 |
注射前処置・粘膜処置 |
抜歯・切開・充填処置 |
※効果発現・持続時間は製品・塗布条件・個人差により異なります。
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