ボツリヌストキシン50単位の活用法|少量施術・廃棄ロス削減・価格設定の考え方を医師が解説

2026年9月29日 | 監修:Medixor編集部 | カテゴリ:ボツリヌストキシン

ボトックス50単位って、100単位と比べて本当にお得なの?眉間だけの患者さんのために100単位を溶かして、余りを捨てていませんか。

こんな方におすすめ
・ボツリヌストキシン施術をこれから導入する、または導入して間もないクリニック
・少量施術が多く、溶解後の余りや廃棄に悩んでいる医師・看護師
・施術メニューの価格設定を見直したいクリニック経営者

この記事で解決できる悩み
・ボツリヌストキシン50単位が向いている施術・クリニックがわかる
・廃棄ロスを含めた「実質の原価」の考え方がわかる
・50単位を導入するときの注意点と仕入れの流れがわかる

結論から言うと、50単位の価値は「1単位あたりの単価」ではなく「使い切れるかどうか」で決まります。施術件数が少ない時期ほど、小さい規格のメリットは大きくなります。

1. ボトックス50単位とは|少量規格が注目される理由

1-1. 50単位と100単位の違いは「量」だけ

50単位製剤は、1バイアルに含まれる単位数が少ない規格です。同じ製剤であれば有効成分は同じで、違うのは1バイアルあたりの量です。一般的に、1単位あたりの仕入れ単価は大きい規格のほうが割安になる傾向があります。それでも50単位が選ばれるのは、少量施術で余りを出しにくいからです。

1-2. Medixorで扱う50単位製剤

Medixorでは現在、ナボタ(Nabota)50単位とイノトックス(Innotox)50単位を取り扱っています。ナボタは凍結乾燥型、イノトックスは溶解不要の液状型です。いずれも国内未承認薬です。5製剤の違いは韓国製ボツリヌストキシン5製剤の違いで詳しく整理しています。

2. ボツリヌストキシン50単位が向いている施術・クリニック

2-1. 眉間・目尻・額などの少量施術

表情じわの施術は、部位ごとの投与量が比較的少ないのが特徴です。たとえば眉間では、20単位前後の投与量が標準的として報告されています(オナボツリヌストキシンAでの報告)。1人の施術で100単位を使い切ることは少ないため、少量施術が中心なら50単位の出番が多くなります。

2-2. 導入初期で施術件数が少ない時期

ボツリヌストキシン施術を始めたばかりの時期は、1日の施術件数が読めません。大きい規格を溶解しても、その日のうちに次の患者さんが来なければ余りが出ます。導入初期は50単位で始め、件数が安定してから100単位以上に移行するのも一つの方法です。

2-3. 予約が不定期な診療科

皮膚科や歯科など、美容施術が診療の一部にとどまる施設も同様です。施術が週に数件程度であれば、1件ごとに使い切れる規格のほうが在庫管理も簡単になります。

3. 廃棄ロスを減らす考え方|溶解後の使用期限

3-1. 溶解後の使用期限は短い

凍結乾燥型のボツリヌストキシンは、溶解後の使用期限が短く設定されているのが一般的です。溶解後も一定期間は作用が保たれたとする報告もありますが、実際の運用は添付文書の記載に従うのが原則です。「余ったら冷蔵庫で数日保管」という運用は、無菌性や力価の面でリスクがあることを知っておきましょう。

3-2. 大きい規格を分けて使うときの注意

100単位を溶解して複数の患者さんに使う場合は、同じバイアルから清潔操作で吸引し、溶解日時をバイアルに記録するなどの管理が欠かせません。管理の手間や感染リスクまで含めて考えると、少量施術では最初から小さい規格を使うほうがシンプルです。

3-3. 液状型50単位という選択肢

イノトックスのような液状型は、溶解の工程がありません。希釈量によるばらつきが出にくく、準備時間も短縮できます。開封後の扱いは製剤ごとに異なるため、添付文書で確認してください。

4. ボトックス50単位の原価と価格設定の考え方

4-1. 見るべきは「実質の1単位原価」

規格を比べるとき、つい1単位あたりの仕入れ単価だけを見てしまいがちです。ですが、実際の原価は「仕入れ価格 ÷ 実際に使った単位数」で決まります。廃棄が出れば、その分だけ1単位あたりの原価は上がります。

ケース 使用単位 廃棄単位 実質の1単位原価
100単位を溶解し、40単位だけ使用 40単位 60単位 仕入れ価格÷40(表示単価の約2.5倍)
50単位を溶解し、40単位使用 40単位 10単位 仕入れ価格÷40(表示単価の約1.25倍)
100単位を溶解し、100単位使い切り 100単位 0単位 表示単価どおり

表のとおり、使い切れない日が続くなら、表示単価が割高でも50単位のほうが実質の原価は下がる可能性があります。自院の直近数か月の施術記録から、1日あたりの平均使用単位数を出してみると判断しやすくなります。

4-2. メニュー価格の設計

価格の決め方には、部位ごとの定額制と、使用単位数に応じた単位課金制があります。少量施術が中心なら、患者さんにわかりやすい部位別の定額制がなじみやすいでしょう。価格を院外に表示する際は、医療広告ガイドラインに沿って、未承認薬であることや副作用などの必要事項もあわせて記載してください。

5. ボツリヌストキシン50単位を導入するときの注意点

5-1. 製剤を変えたら用量を見直す

ボツリヌストキシンの単位は製剤ごとに測定方法が異なり、製剤間で単純に換算できないとされています。規格だけでなく製剤そのものを変える場合は、用量設定と希釈量を見直し、カルテに製剤名・単位数・希釈量を記録しておきましょう。

5-2. 保管と温度管理

ボツリヌストキシンは温度管理が必要な製剤です。Medixorでは国内配送をクール便で行っています。到着後は速やかに、添付文書どおりの条件で保管してください。

5-3. 個人輸入と輸入確認(旧薬監証明)

国内未承認のボツリヌストキシンは、医師が治療目的で個人輸入し、地方厚生局による輸入確認(従来の薬監証明)の手続きを行います。Medixorの50単位製剤は50単位の商品一覧からご確認いただけます。

まとめ

1. 50単位と100単位の違いは量だけ。選ぶ基準は「使い切れるかどうか」
2. 眉間・目尻など少量施術が中心なら、50単位の出番が多い
3. 溶解後の運用は添付文書に従い、余りの長期保管は避ける
4. 原価は「仕入れ価格÷実際に使った単位数」で比べる
5. 製剤を変えたら用量を見直し、カルテに記録する

規格選びは、地味ですが利益に直結するポイントです。まずは自院の施術記録から、1日の平均使用単位数を確認してみてください。

注意事項・免責事項
本記事は医療従事者向けの情報提供を目的としており、一般の方への治療推奨ではありません。記載の薬剤には国内未承認のものが含まれます。薬剤の使用は必ず医師の診断と処方のもとで行ってください。
本記事の投与量・原価計算は、文献や一般的な考え方をもとにした参考情報であり、効果・安全性や収益を保証するものではありません。効果には個人差があります。使用前に最新の添付文書をご確認ください。
薬機法・医療広告ガイドラインの解釈・運用については最新の法令・通知を確認するとともに、必要に応じて専門家にご相談ください。
監修
Medixor編集部
美容医療クリニック向け会員制プラットフォーム。国内外の美容薬剤情報・仕入れ実務・薬機法対応コンテンツを発信。
Instagram:@medixor_gogo55
LINEで無料相談する
50単位製剤の仕入れに関するご相談はこちらから
関連記事
ボツリヌス 韓国製ボツリヌストキシン5製剤の違い|ボツラックス・コアトックス・ナボタ・リズトックス・イノトックスの特徴と使い分けを医師が解説
ボツリヌス イノトックス(Innotox)個人輸入ガイド|液体型ボツリヌストキシンの特徴・希釈不要の利点・凍結乾燥型との使い分け
ボツリヌス Botulax 300UI 完全ガイド|希釈・投与量・保管・仕入れを医療従事者向けに解説
経営 診療報酬改定に揺るがない 経営基盤を。既存患者の満足度を最大化する「美容医療」導入の5ステップ:1-3ステップ
サイトナビゲーション
トップページ
記事一覧
商品一覧
LINE相談
会員登録
トップページに戻る